抜くのと削るのでは大違い!
矯正の相談で、抜かないと出っ歯になりませんか?という質問が結構多いですね。出っ歯というのは歯の軸が外側に傾斜しているものです。
矯正すれば真っ直ぐとなり綺麗に治ります。
歯の幅というのもあり、大きい歯の人や小さい歯の人もいます。それをすべて同じ基準で考えるのもおかしいのです。
歯の幅が全体的に大きければ、歯列のアーチも大きくなるのです。
しかしそれが出っ歯だとは限らないのです。少し歯の幅を削ればキレイに並ぶ場合がほとんどです。
しかし、説明する時に抜くと言った時は無反応の人が多いのに対して、削ると言ったら「削って大丈夫なのか?」などと不安がる患者さんが多いのにはビックリします。
削って不安がるのだったら、抜けばどうなるのかを知ってもらいたいと思います。
削るといってもわずかであり、ほんの0.5ミリ程度なのです。それもほんの数か所程度の微々たるものです。
抜けば歯は無くなるのであり、一生使える歯が、虫歯でもないのに消えてしまうのです。
抜けば取り返しがつかないのであり、歯の周りの骨も消失してしまうのです。歯科医としてこんな残念なことはありません。
年を取って、歯が少なくなり、インプラントをするような場合に、悔やんでも悔やみきれないのでしょうか?
出っ歯になるなどという都市伝説のような認識が広がっているのも、一部の歯を大切に思わない抜歯矯正医が多いためではないでしょうか。
平成22年6月18日(金曜日)