床(しょう)矯正の問題点

乳歯列期の歯並びを訴えて相談に来られる患者さんが非常に多いです。
「下の前歯が生えてきたのだけれど、乳歯の内側に生えてきた。」や「将来の歯並びが心配で、いつから矯正治療を始めなければいけないのか」という相談も多いです。
永久歯の交換期ですと少しぐらいはガタガタしているものなのです。
しかも成長期に大人の歯が生えてくるわけですから、アゴの大きさと歯の大きさの不均一は誰にもあるわけです。

そういった不安に対応する為に、乳幼児から床装置による安易な矯正が行なわれています。
「3年以上も床装置を入れていたのだけれど治らないので・・・」とやっとおかしいと飯嶋歯科医院に相談にくるのです。

ほおっておくと、床矯正はかみ合わせができずに、がたがたになることが多いのです。
それに無理に床矯正装置をつけても、治療期間が長くなるだけで、きれいになりません。
拡大装置といわれる装置はネジで顎を広げます。

何も知らない患者さんには説得力があるのかも知れません。
歯科医師も本格的な矯正(ブラケットとワイヤー)が出来ないから、型を取ればだれでも作れる矯正装置をしているのが問題なのです。
小学校低年齢は上下8本の永久歯を見短い期間で矯正を完了するのが一番です。

5歳から長々と床装置を付けても、無理に歯列を広げて、咬めなくなったりします。
これは、あきらかに適応症のミスです。
床矯正で治るのは全体の20パーセントと矯正専門医の浅野正一先生も警告しています。


床矯正やマウスピース矯正が流行っています。
マウスピース矯正とか床矯正ではなかなか上手く綺麗に治りません。
ブラケットとワイヤーを使う矯正こそが王道なのです。

平成21年4月3日(金曜日

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